1. フラ
ハワイの人々の古い系譜や神話、伝承を深く研究していると、ハワイアンとしての彼らがどのようなものに興味を持ち、情熱を傾けていたのか、そうした人間性を生き生きと描くための手がかりがあまりにも乏しく、非常に困難なことだということに失望すら覚える。しかし、フラとそこにある人々の感情や研ぎ澄まされた感覚、ハーラウ(フラの稽古場)で表現されていた情緒、そうした一連の流れを見てゆくと、そこにこそハワイの人々の人間性を発見する扉が開かれることに気づくのである。ハワイアン達が創り出す歌や他愛ない語りの中で知り得る彼らの深く純粋な誇りは、あまりにも親密かつ素朴な信頼に満ちている。それらを聞き取り、現代の言葉で表現することはまるでアダムとイブの愛の巣を覗き見しているかのようで気恥ずかしくなる行為に似ている。もし純粋無垢な子供が発するように言葉を和らげることができたなら、あるいはたどたどしい言葉とつたない絵でなんとかして太古の景色を表現することができれば、世界の楽園時代といわれる古代ハワイを論じるに値すると思えるかも知れない。
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